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JICA帯広研修員 - アザドさん(イラク)
JICA帯広研修員
イラク
この記事の投稿者JAGA
今週は、イラク共和国(Republic of Iraq)をピックアップ!
古代メソポタミア一帯に位置する国。最初の文字が生まれ、文明的な法典がつくられた。現在は、ティグリス川とユーフラテス川によって作り出された肥沃な平野が、広大な灌漑農地と中東有数の人口を支えている。サウジアラビアに次ぐ豊富な石油資源がある。しかし、ニュースなどから伝わるのは、大規模な戦争、民族紛争、独裁政治について。それはある1面にすぎない。
<国の位置>
中東・西アジアの連邦共和制国家。
サウジアラビア、クウェート、シリア、トルコ、イラン、ヨルダンと隣接する。
<首都>
バグダッド(人口約500万人~600万人)
<面積>
約43.74万平方キロメートル(日本の約1.2倍)
<人口>
約2,710万人(2004年推定:世銀)
<人種>
アラブ人(シーア派約6割、スンニー派約2割)、クルド人(約2割)、トルクメン人、アッシリア人等
<宗教>
イスラム教(スンニー派、シーア派)、キリスト教他
<気候>
寒暖の差は激しく、冬季の気温は氷点下以下、夏季には摂氏50度にも達する。
<主要産業>
石油
出典・参考:外務省HP、ナショナルジオグラフィックHP、地球の歩き方HP
今週は…
JICA研修員のアザドさん
■よろしくお願いします。まずは、自己紹介からお願いします。
アザドさん 以下ア)アザドです。イラクのクルディスタンから来ました。ダフーク農務省の動物資源課で専門家として働いています。
♪ハッサン・シャリーフ「ズィスタン」
日本語で「冬」と言う意味で、アザドさんの出身地クルディスタンについて歌っています。
■アザドさんの出身地のクルディスタンはどんなところですか?
ア)クルディスタン(クルド人自治区)はイラクの北部にある、クルド人が住んでいる地域です。クルド人の自治区はイラク以外にもトルコやイランにもあります。クルディスタンはイラクにありますが、私たちクルド人は、イラクの他の地域とは違う自分たちの伝統や文化、政治や法律を持っています。一番大きな違いは平和なことです。日本の皆さんは驚くと思いますが、クルディスタンには他の国と同じように大きなショッピングモールもあるんですよ。
※現在、日本政府よりイラクの大部分の地域で「退避勧告」が出されており、一般人の渡航はできませんが、クルディスタンの中心地エルビル市は「渡航の是非を検討してください」となっており、日本からの渡航が可能です。
■普段話している言葉について教えてください。
ア)イラクのほとんどの土地ではアラビア語が話されていますが、私はクルド人なのでクルド語を話します。クルディスタンではみんなクルド語を話します。
■クルド語のあいさつを教えてください。
ア)こんにちは ⇒ チャワニ
さようなら ⇒ ベ・ハートラタ
ありがとう ⇒ スパス
■オススメの観光スポットを教えてください。
ア)ベカルやゲリ・アリベグという町には美しい滝があります。花の咲く季節になると、たくさんの観光客が訪れます。また、トルコとの国境近くの町アメディエは、丘の上にある小さな古い町で、お城のように見えることから観光客に人気です。私のおすすめはベカルの滝です。
■日本からの観光客に特にオススメのシーズンはありますか?
ア)春(3月~4月)に来るのがおすすめです。この時期になるとクルド人は週末が来るたびにピクニックに出かけます。日本の皆さんもぜひピクニックに出かけて、イラクの美しい風景を楽しんでください。
また、3月21日にはクルドのお正月もあります。クルド語で「ナウローズ」と言います。今年はクルドのカレンダーでは2711年。1週間キャンドルをたくさんつけてお祝いします。この時期にクルディスタンに来たら、みなさんも一緒にお祝いできますよ!
■イラクの食べ物について教えてください。
ア)好きな食べ物は「ビリヤニ」と「ドルマ」です。「ビリヤニ」はアーモンド、唐辛子、ジャガイモ、人参などいろんなものを入れて炊いたご飯です。「ドルマ」はご飯を葉っぱに包んで蒸した料理。どちらの料理もおすすめです。
■イラクの有名人というと?
ア)イラクの人たちはみんな音楽が好きです。特に歌手のタシン・タハールやハッサン・ズィレックが人気です。
■お仕事を教えてください。
ア)ダフーク県の農務局で農業の専門官として働いています。県の畜産(主に酪農や養鶏)全般について、農家の人たちに指導を行っています。
■お仕事の後はどのように過ごしていますか?
ア)友だちと町に出かけたり、サッカーをしたりします。サッカーはイラクで一番人気のスポーツです。健康のためにプールに行って泳いだりもします。
■週末はいかがですか?
ア)他のイラク人と同じように、ピクニックに出かけるのが好きです。たまに山登りもします。
■グルディスタンでのJICAの活動について教えてください。
ア)数年前アルビルにJICA事務所ができました。実際にどんな活動を行っているかよく知りませんが、日本に来る前に読んだ資料では、農業分野の活動を行っているそうです。
♪カディーム・サヘル「アシキーク・リミン」
「誰に不満を言えばいいの?」という意味。
■帯広にはいついらっしゃいましたか?
ア)10月22日に来ました。日本に着くまで16時間。イラク~ヨルダン~ドバイ~成田。世界を半周して日本に到着しました。
■日本の印象を教えてください。
ア)畜産について学ぶ研修コースに参加するので、きっと畜産の盛んなところなんだろうと想像していましたが、想像以上に大規模な畜産業をしていることに驚きました!
■グルディスタンと日本、似ているところはありますか?
ア)人の優しさです。クルディスタンの人たちは、困っている人を見つけたら、すぐに助けます。日本に来て、たくさんの人に助けてもらい、同じだなぁと感じました。
■日本に来て、驚いたことはありますか?
ア)全てのものに案内表示がついていることです!ドアには「引く」「押す」と書いてありますし、トイレにも使い方が丁寧に書いてあります。何を使うにしても、誰かに聞く必要がありませんでした。ただ、「それくらい分かるよ!」と言いたいときもありました。
■十勝の冬を満喫しましたか?
ア)とにかく寒い!わたしが住んでいる地域でも気温はマイナル5℃くらいまで下がるし、雪も降ります。でも、降った雪が溶けないことや、一日中氷点下のままというのには本当にびっくりしました。きっと夏は過ごしやすいんでしょうね。イラクは夏(7~8月)になると50℃にまで上がる地域もあるので、みなさんが夏にイラクに来たら、きっと溶けちゃうと思います(笑)。
■日本文化を体験しましたか?
ア)日本の伝統音楽を聞きました。ゆったりリラックスした曲調がとてもいいですね。日本の民族衣装「着物」も着ることができました。研修コースのメンバーと一緒に、刀を持って記念撮影しました。
■日本食にはチャレンジしましたか?
ア)刺身にチャレンジしました。お魚とタコを食べましたが、イラクでは生の魚を食べる習慣がないので、とても変な感じがしました。いい経験になりましたが、1回だけで充分です(笑)。
■研修について教えてください。
ア)「乳肉生産のための牛の飼養管理コース」で勉強しています。研修で、教室での授業を受けてから、実際に畜産物を生産している現場を視察しました。帯広での視察は主に寒冷地から来た研修員のために、暑い地域から来た研修員のためには沖縄の牧場が用意されていました。沖縄では、熱帯植物を使ったサイレージづくり、帯広では、寒い地域の家畜の飼い方や牛乳やチーズを生産する工場を見学しました。イラクでは夏場はとても暑いですが、冬には雪も降るので、どちらの研修で得た知識もきっと役に立つと思います。
■沖縄での研修がかなり楽しかったようですね?
ア)はい、沖縄は素晴らしい土地ですね。生活も自然も同じ日本なのに帯広とこんなに違うんですね。沖縄は非常に豊かな環境に恵まれた楽園だと感じました。食べ物もおいしいし、みんなフレンドリーで、とても好きになりました。
■ちょっと意地悪な質問ですが、帯広より沖縄が好きですか?
ア)そんなことはないです!帯広は本当に素晴らしい「日本のホームタウン」です。沖縄とは全く違う良さです。帯広の人はみんな落ち着いていて、あまり自分を表現しませんが、心の中は温かい人たちです。帯広の人たちの優しさにはお世話になりました。ありがとうございます!
■帰国してからの抱負を教えてください。
ア)職場を代表してこの研修に参加しました。代表として全ての知識をしっかりと持ち帰り、同僚のみんな、そして畜産経営をしている農家の方々に伝えたいです。
■最後にメッセージをお願いします。
ア)私の好きな言葉を!
You deserve this life and more. Because you are doing your best for living!
努力をすればより良い人生が望めます(意訳)。
♪ハッサン・ズィレック「ナウローズ」
■ありがとうございました。
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