今週は、サモア独立国（Independent State of Samoa）をピックアップ！

＜国の位置＞
南太平洋（オセアニア）の島国で、イギリス連邦加盟国。
サモア諸島のうち、西経171度線を境として西側に位置する。
この経度を境にアメリカ領東サモアとサモア独立国に分割されているが、住民も文化も同じポリネシア系である。ウポル島、サバイイ島および7つの小島からなる。

首都…アピア（ウポル島北部）

＜面積＞
2,830平方キロメートル（東京都の約1.3倍）

＜人口＞
183.874人（2011年、世界銀行）

＜民族＞
サモアの国民は、9割以上がポリネシア系のサモア人。
小錦（タレント・元大関）の両親の故郷であり、彼の親類も多く在住する。

＜宗教＞
キリスト教（カトリック、メソジスト、モルモン教等）

出典：外務省HP、ウィィペディアHP

今週のゲストは…
JICA研修員のポウスさん

■よろしくお願いします。

ポウスさん 以下ポ）はじめまして。Posesione です。よろしくお願いします。

■まずは主要な産業を教えてください。

ポ）サモアの主要な輸出品は魚で日本やアメリカ、サモア独立国の南東にあるアメリカ領サモア、ニュージーランドにも輸出しています。ラグビープレーヤーなどスポーツ選手も日本、ヨーロッパ、ニュージーランドなど世界各国で活躍しています。いとこのトゥシ・ピシは現在東京のサントリー サンゴリアスというチームで活躍しています。海外で働いている人たちは家族にお金を送っていて、それがサモアの主要な歳入になっています。

■サモアの航空会社、サモア航空では最近、乗客の体重によって運賃を決める方式を導入しましたよね。

ポ）世界ではじめて導入されたこのシステムはたくさんの方々にサモア航空に興味を持って頂き、利用して頂くために取り入れられました。また、最近サモアでは肥満の人が増えており、社会問題になっています。体重を減らし乗客の方々に健康的になってもらうためという理由もあります。サモア航空のウェブサイトには「運賃は体重と荷物によって決まります」と明記されています。

■ポウスさんは普段何語を話していますか？

ポ）サモアの公用語はサモア語です。職場では、英語とサモア語を使います。書類などほとんどの場合英語で書かれていますがサモア語を使う場合もあります。サモアでは英語とサモア語の2カ国語を話せなければなりません。

■サモア語のあいさつを教えてください。

ポ）こんにちは⇒タロファ　ラヴァ
　　ありがとう⇒ファアフェタイ　ラヴァ
　　さようなら⇒トファ　ソイフア

♪　サモアの伝統音楽
　　60年くらい前に作られ、今でも結婚式やお祭りなどイベントが行われる時には必ず歌われるそうです。

■サモアの魅力について教えてください。

ポ）サモアは森や熱帯雨林、青い海と美しいホワイトビーチなど自然の美しさがあることから「南太平洋の宝島」と呼ばれています。サモアの文化は、キリスト教とポリネシアの人たちの豊かな歴史そして遺産が融合しています。私たちサモア人はフレンドリーでハッピーな人たちです。

■観光客にオススメの場所を教えてください。

ポ）東部のウポル島にある「ロラマヌ村」の美しいロングビーチはお勧め。最高の自然の中でリラックスして楽しめます！五つ星ホテルもたくさんありますが、私はサモアの伝統的なオープンハウス「ビーチ・ファレ（砂浜の家）」がお勧めです。サモアの生活を十分に満喫できることでしょう。

■どのシーズンがオススメですか？

ポ）サモアには雨季と乾季の2つの季節しかありません。そのため、みなさんが好きな時期を選んで来てください。ベストタイムはサモアの国の花「テウィラ」にちなんだお祭り、テウイラ・フェスティバルが行われる8月頃です。

■「テウイラ・フェスティバル」はどんなお祭りですか？

ポ）1週間行われ、サモアの踊りやサモアのお笑い、「キリキティ」と呼ばれるサモアのクリケット、彫刻や伝統的なタトゥー、サモアの伝統的な料理など、サモアの全ての文化を体験することができます。

■サモア料理について教えてください。

ポ）サモアの人たちは食べることが大好きです。特に豚肉、魚、タロイモが大好きです。そのためサモアの人たちは体がとても大きいんです。豚肉は直火で焼いて食べるのがサモア流。サモアの伝統的な調理法「ウム（地面に穴を掘って石を置いたオーブン）」で焼きます。魚も豚肉同様「ウム」で焼いたり、煮たりしてココナッツクリームで味付けします。「タロイモ」はサモアの主食で芋よりもでんぷん質が多く、タロを毎日・毎食、食べているので私たちの体は丈夫なんです。

■サモアでポピュラーな飲み物はなんですか？

ポ）ココナッツジュースです。ココナッツは道端や家などの木になっていますので、実が緑色になったら飲み頃です。

■サモアではどんなお菓子を食べますか？

ポ）「ポポ」と呼ばれるお菓子を食べます。まず、ココナッツの中の実をくり抜きます。フライパンに砂糖をたくさん入れて、火にかけます。砂糖が溶けた頃にココナッツを入れて混ぜます。混ぜたあと、飴みたいに丸くしてできあがりです。他には「タオフォロ」と呼ばれるお菓子もあります。これは「パンノキ」と呼ばれる果物で作ります。この果物の皮はとても硬いので皮を焼いて、中の実を取り出します。実とココナッツクリームをまぜて、砂糖をたくさん載せます。「ウム」で砂糖を溶かしできあがり。とってもおいしいです。

■ポウスさんはお料理をしますか？

ポ）はい。私の家には男兄弟しかいないため、長男である私が家族のために毎日料理をします。私が料理する間、母には休憩してもらっています。

■男性が料理するというのはサモアの伝統ですか？

ポ）サモアでは男性が家族のために料理をしなければなりません。女性は料理以外の家事をします。伝統的なサモアのキッチンは通常、家の外にある別の建物にあります。

■サモアの人たちが好きなことは何ですか？

ポ）もちろんスポーツが好きです。ラグビーは国民的スポーツでプレーするのも観戦するのも好きです。「マヌサモア（Samoan worrior）」という代表チームもあり、毎年5月から6月にかけてフィジー、トンガ、サモア、そして日本の太平洋の国々のトーナメントが行われます。サモアはここ2年間チャンピオンを維持しています。日本も一度チャンピオンになったことがあります。サモアの人たちはラグビーが大好き！です。

■サモアのファッションについて教えてください。

ポ）サモアのファッションは伝統を大事にしています。男性は「イエ・ファイタガ」と呼ばれるポケットがついたスカートを履きます。サモアはとても暑いので長いズボンをはくよりも快適だからです。

■上はどんなものを着ますか？

ポ）「エレ　シャツ」と呼ばれる伝統的な模様が入ったシャツを着ます。サモアの伝統的な「ペッア」と呼ばれるサモアの伝統的なタトゥーの模様やサモアの風景がモチーフになっている模様など様々です。毎年新しいファッションが生まれています。女性は「ブレタシ」と呼ばれる、上着とスカートを着ます。
サモアには現在「メナ」と呼ばれるファッションブランドがあり、アメリカやオーストラリア、ニュージーランドではとても有名です。サモアの様々なファッションスタイルを提案しています。オンラインでも買うことができます。

♪　エニャレセ・エテ　「ロマトゥ　アトゥア（父なる神よ）」
　　映画「ロード・オブ・ザ・リング」の音楽もてがけていたという作曲家です。この曲はサモアの伝統的なドラムが使われています。

■2月11日に帯広にいらっしゃったそうですが、帯広の印象はいかがですか？

ポ）帯広は日本の中で一番良い場所だと思います。環境がとてもキレイです。木々がたくさんあり、リラックスすることができます。

■日本について驚いたことは、何かありますか？

ポ）気候です。冬服は長いズボンしか持ってきませんでした。そして2月のあの寒さ、しかも帯広は雪が降っていました。雪は映画でしか見たことがありません。私の人生で最高の体験でした。

■現在「畜産物の衛生管理・品質管理」という研修コースに参加されているそうですが、どんなコースですか？

ポ）研修では日本における畜産食品の生産や流通過程について学んでいます。屠殺場においては、肉が衛生的に品質管理されていることに大変驚きました。また、東京のプリマハムではソーセージやハムなどを加工し包装される際の衛生管理システムを見ることができました。またその後お店でどのように売られているかも見ることができました。とても興味深かったです。

■帰国後、ＪＩＣAの研修で学んだことをどのように活かしたいですか？

ポ）サモアでは肉やコンビーフ、ソーセージ、ハムの管理方法を検査する仕事をしているため、日本におけるHACCPを是非この目で見てみたいと思っていました。実際に日本に来て、日本がこのHACCPを導入するまでの過程を知ることができました。サモアに帰ったら、日本で見たことを実際に取り入れていきたいと思っています。自分の目で見たことで可能性が広がりました。

■最後にメッセージをお願いします。

ポ）帯広に来る機会を与えて頂いたことに感謝しています。北海道そして帯広には本当に素晴らしいものがたくさんあります。今あるものを大切に守っていってください。

♪　アディーズ　「エパイヤ（Here’s home）」

■ありがとうございました！