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JICA帯広研修員 - キラさん(コソボ)
JICA帯広研修員
コソボ

この記事の投稿者JAGA
今週は、コソボ共和国(Republic of Kosovo)をピックアップ!
2008年2月、自治州議会の独立宣言によりセルビアから事実上独立した。アメリカや多くのヨーロッパ諸国はコソボの独立を承認したが、ロシアなどセルビアと同盟を結ぶ一部の国は認めておらず、いまだに政情不安定な状態が続いている。
<国の位置>
バルカン半島中部の内陸部に位置する地域である。北東をセルビア、南東をマケドニア共和国、南西をアルバニア、北西をモンテネグロに囲まれている。コソボという地名は、首都プリシュティナ郊外のある場所に由来し、現地の言葉で「クロウタドリの地」という意味がある。
<首都>
プリシュティナ
<面積>
10,908平方キロメートル(岐阜県に相当)
<人口>
181万6千人(2012年、コソボ統計局)
<民族>
アルバニア人(92%)、セルビア人(5%)、トルコ人等諸民族(3%)
<宗教>
イスラム教(主にアルバニア人)、セルビア語(セルビア人)等
<気候>
気候は大陸性であるため、夏は比較的気温が高いが、冬は寒く積雪も多い。
<主要産業>
サービス業(68%)、工業(20%)、農業(12%)(2008年、世銀統計)
<世界遺産>
コソボには2004年に世界遺産(危機遺産『コソボの中世建築群』)へ登録された4つの教会があります。
デチャニ修道院
14世紀半ばにセルビア人のステファニ・デチャンスキ王によって建てられたもので、現在は彼の霊廟にもなっています。神聖な建物としされているが中世の絵師によって描かれたもので貴重なフレスコ画などの保存状態が危惧されている。2007年にアルバニア系過激派によって手りゅう弾が投げ込まれるなど、実際に遺産の保全にとって障害となる事件も発生している。
ペヤ総主教修道院
教会の現在の建物は14世紀に建てられた。9世紀からあった最古の教会の上に13世紀に聖アポストロス協会が建てられ、さらに14世紀に聖ディミトリアス協会と聖ニコラ協会が建造されている。
グラチャニチャ修道院
14世紀のネマニッチ朝時代に4世紀の古代キリスト教協会の上に建てられたもので、保存状態が大変危惧されている。
リェヴィシャ教会
もともとは4~5世紀に建てられた聖礼の古代キリスト教教会であり、現在の形は14世紀初め頃のネマニッチ朝時代に完成した。中世時代の教会の中で最も美しい建物のひとつである。
出典・参考:外務省HP、日本コソボ友好協会HP、ナショナルジオグラフィックHP、地球の歩き方HP
今週は…
JICA研修員のキラさん
■よろしくお願いします。まずは自己紹介をお願いします。
キラさん 以下キ)キラ・ジェフェーレです。コソボから来ました。
■コソボの主要産業を教えてください。
キ)農業が主要産業です。主要製品は乳製品、イチゴのようなソフトフルーツ、野菜です。
これらを多く輸出していますが、特にメディカルハーブ(薬草、香草)に力をいれています。
■コソボの有名人を教えてください。
キ)「マザー・テレサ」は隣国のアルバニア出身ですが、彼女の父親がコソボの西部の都市、ジャコヴァの出身です。
「ジョン・ベルーシ」映画“ブルースブラザーズ”で有名なコメディアン俳優です。彼はアメリカで生まれ育ったアルバニア系移民です。
「ロリック・カナ」首都プリシュティナ出身のサッカー選手です。長い間フランスのサッカーリーグで活躍していて、フランスの国籍も所有しています。
「リタ・オラ」世界的なスター歌手の彼女も首都プリシュティナ出身で、幼いころに両親とともにイギリスへ移住しました。昨年コソボに凱旋帰国した際は、国中がお祭りムードで歓迎していました。
♪ メリタ・ハリリ 「コラージ」
「あなたとコーヒーを飲んでお話したい。」という意味の伝統音楽。
■普段話している言葉について教えてください。
キ)こんにちは ⇒ プルシェンデラ
さようなら ⇒ ディテネミル
ありがとう ⇒ ファレミンデリット
■コソボのおすすめスポットを教えてください。
キ)「ルゴヴァ渓谷」です。コソボの西部に位置するとても美しい25キロに及ぶ渓谷です。特におすすめは夏です。「ルゴヴァ渓谷」の周辺には「ルゴヴァニアン」と呼ばれ、民間伝承を大事にし、自然環境を愛する人々が暮らす村が13あります。この大渓谷は海抜2560メートルあり、1800メートル級の山にある湖や30メートルの落差がある滝、そして点在する洞窟などコソボのダイナミックな自然が楽しめます。またハイキング、ロッククライミングやパラグライディングなども楽しめます。冬だとマケドニアとの国境に近い、南部の「ブレゾヴィッツア」がおすすめです。海抜900メートルから2500メートルの山々から成り立ち、コソボのスキーリゾート地として有名です。この地域の雪は、バルカン半島の中で一番理想的なパウダースノーだと称賛されています。
コソボ第2の都市で南部に位置する「プリズレン」が歴史的に有名です。アルバニアとマケドニアの両方に接していて、地方では最も多文化な町とされています。コソボ紛争の際に、攻撃をあまり受けなかったので、モスク、正教会、ハマムなどが街中に残されています。夜は雰囲気もよくロマンティックな街並みを楽しめます。世界遺産に登録されている「中世建造物群」のうち、この地域で最も貴重かつ市街地で生き残った唯一の中世教会であるリェヴィシャ教会もあります。
コソボはとても小さな国ですので、安心して旅行する事ができます。1999年のコソボ紛争後、日本の国、日本人の方達が私達の国のために、住宅の再建、医療援助の他さまざまな分野でサポートしてくださった事に感謝しています。ぜひ、コソボにいらしてください。
■オススメの季節はいつですか?
キ)春と夏は緑に溢れ、コソボのどこを訪れてもベストシーズンだと感じられると思います。青空の美しさを楽しんでください。
■どんな食べ物がありますか?
キ)バルカン半島の他の国々と同じようにスラブ、トルコ、ギリシャの文化が見られますが、とりわけトルコの影響が強いです。
主食はパンで、毎日いただきます。時々、小麦以外の穀物を混ぜて作ったパンも食べます。ナンのような柔らかいパンが多いです。パンには、お芋、お豆、お米などを混ぜた和え物とお肉を合わせて食べます。私達にとって、主食のもとになる小麦は伝統的な儀式にもよく用いられます。
小麦粉から、パスタ、マカロニ、パラチンカなどさまざまな食品を作ります。「パラチンカ」とは東欧から中欧にかけて食べられているクレープで、お肉や野菜の煮込みなどを包んでいただきます。「ビュレック」はコソボの人達が朝食などで軽くいただくファストフードのパイです。「ビュレック」の中身もいろいろですが、ほうれん草とチーズを入れたものが人気で、アルバニア系の人々にとっては、郷土料理にあたると思います。
私が好きなのは、小麦粉の生地を焼いて、サワークリーム、生クリーム、チーズ、ヨーグルトやハチミツをはさんだ「フリージャ」というパンケーキです。
■どんなスウィーツがありますか?
キ)伝統的なスウィーツとされるのは、お米と牛乳から作る「ストラチ」です。「ストラチ」は牛乳に米粉と砂糖を加え、とろとろになるまで煮込み、冷やしていただく、ライスプディングです。
小麦粉から作るスウィーツも豊富です。パイのようなクッキーのような「タトィリヤ」は、焦がさないように煮つめたお砂糖をかけていただきます。簡単に作る事ができるので、お客さんが来た時によくふるまわれます。他には、トルコのお菓子としても有名なパイのはちみつ漬け焼き菓子の「バクラバ」や、さまざまな味や盛り付けの「トルテ」(丸い型で焼いたケーキ)などがあります。
■飲み物はいかがですか?
キ)地域によっては、紅茶やコーヒーよりも“マウンテンティー”(別名:シェパードティー)というハーブティーが好まれています。体を温める作用があり、中央ヨーロッパではとても人気があります。ワインの産地では葡萄の果汁から、ワインの他、蒸留酒の“ラキ”を作ります。バルカン半島では“ラキ”は家庭でも作られ、アルコール度数が40度程の強い地酒で、一般的にとても普及しています。
私は紅茶を飲むのが好きです。紅茶を飲む時には“ティーセレモニー”をします。セレモニー用の大きなカップでお水を沸かし、小さなカップで茶葉を10分から15分蒸したあとに淹れていただきます。
■結婚式について教えてください。
キ)花婿は花嫁を迎えに行く必要がありません。自宅で花嫁の到着を待ちます。花嫁の女性の親戚や女友達のグループが花嫁を花婿の所へ連れて行くために花嫁の自宅へ迎えに行き、歌やダンスをします。そうしていると、準備が整ったウェディングドレス姿の花嫁が、母親や姉妹たちに囲まれ登場し、花婿の自宅へ「お嫁入り」をします。最近の結婚平均年齢は、男女ともに20代半ばから後半にかけてですが、地方、田舎だと20代前半になります。
■ユニークな結婚式があるそうですね。
キ)コソボの最南端の山岳地帯、ゴーラ地方の「オポヤ」という町では、花嫁が髪の毛と白く塗った顔にビーズのようなもので装飾を施します。ゴーラ地方では、今も昔ながらの伝統的な生活を営んでいる民族が居住しています。
■コソボのどんなところが好きですか?
キ)ホスピタリー精神に溢れるコソボの人達が大好きです。貧しい人たちでも、何でも分け合おうとします。私たちは、伝統的な生活を守りながらも、未来に向かい、前を見ています。
伝統的な慣習はお年寄りを敬う点ですが、これは日本の方達と共通していると思います。私達はお年寄りといっしょに暮らします。お歳を召された方が家に入って来ると、立ち上がって挨拶をします。地方の田舎では、未だに伝統的な民族衣装を着て生活をしている人もいます。
♪ ネジュミーア・パガルーシャ 「エ クィトィ アッタケム」
失恋した今もあなたを想っているという曲。
■研修に参加することを決めた理由はなんですか?
キ)だいぶ前から、過去に研修に参加した事のある人達からJICAについて耳にしていました。日本という国、日本人の方々が好きで、日本の農業分野での経験値を学びに来たかったからです。
■お仕事について教えてください。
キ)コソボの首都プリシュテナにある農業林業地方開発省経済分析農業統計部、農業統計課のチーフとして働いています。自然環境が好きで、地方で農家の方々と働く事に喜びを感じています。
■ご家族や余暇の過ごし方について教えてください。
キ)結婚して3人の子供に恵まれています。息子2人と娘1人です。下の子2人はまだ学生で、末っ子はまだ13歳です。私には4人の姉妹と2人の兄弟がいます。時間がある時はお掃除をするのが好きで、お庭の手入れもします。読書が好きで、あまりテレビは見ません。
家族全員で出かけてお休みを楽しむのが好きです。子供や夫の面倒をみるのも心地いい時間です。
時々、お友達を家に招待してホームパーティーもします。
■日本や帯広の印象を教えてください。
キ)1月中旬に帯広に来たのですが、街並みがきれいで先進国だな、というのが第一印象です。
日本の方達は親切だと思いました。挨拶をする時に握手をしない事が、最初に覚えた日本の慣習です。面白かったのは、飛行機が空港に到着した時、空港で働く若い男性職員が、来るバス全てに対してお辞儀をしていた事です。
■コソボと日本の同じ所、違う所を教えてください。
キ)大きな違いは、日本は経済大国だという事。それによる物の見方や考え方が違います。挨拶の時に握手をしない、ハグをしない等の振る舞い、行儀なども違います。
同じ所は、丸テーブルに木製の椅子を使う事です。家の中では靴を履かないのも同じです。家に入る際に、靴は脱ぎます。コソボの夏は暑く、冬はー10℃からー30℃まで下がるので、気候は帯広と似ていると思います。
■帯広で受けている研修の内容を教えてください。
キ)「農民主導による普及手法」という名前の研修です。普及員としてどのように農業普及を進めていくか、農業高校および農協の設立、同僚との仕事の進め方など実りの多い内容です。
■帰国後の展望について教えてください。
キ)この研修で得た知識を発表する機会があるので、さまざまな事例を紹介する予定です。私達の普及活動の進め方が正しいものである、という事を上司に説明しなくてはいけません。
今回、コソボにはない普及法を学んでいます。その、伝統的に長い間日本に浸透している普及法の中からいくつかの事例を持ち帰り、実際に導入したいと考えています。
思い描いた理想を実現するには強い意志と自分の行っている事に信念を持つ事が必要です。
■最後にメッセージをお願いします。
キ)素敵な方達が暮らす帯広での生活、私達の研修のためにあらゆる面でサポートをしてくれるフレンドリーな方達がいる帯広の素晴らしい環境を楽しんでください!
Enjoy your time in Obihiro with such a nice people and warm environment such a friendly team who works with us and support in every aspect.
♪ ショナルソング 「モイ フォローンズ モイ ミトーレ」
フォローンズという鳥が成長してく様子を歌っている。
■ありがとうございました!
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