特別展「居串佳一とオホーツクの画家たち」の会場、
北海道立帯広美術館にお邪魔しました！

この特別展は、
網走市立美術館が所蔵する１，４００点を超えるコレクションの中から、
居串佳一の代表作から画業をたどるとともに、
同じくオホーツク地方にゆかりある画家たちの名品を紹介しています。

野田佳奈子さん、ありがとうございました。


◆「居串佳一とオホーツクの画家たち」◆
今回の展覧会では、居串佳一という北海道を代表する洋画家を中心に紹介しています。
居串は北見生まれ、網走育ちの、昭和初期から戦後にかけて活躍した画家です。
画家としての人生のうち、半分は網走、半分は東京で過ごしていたのですが、
どこにいても“北海道らしい絵”を描くことを目指していました。
今回はそんな居串の作品を初期から晩年まで展示するとともに、
同じくオホーツク地方にゆかりのある画家たちの名品をご紹介しています。

◆会場には◆
【居串の代表作である氷上漁業や静夜
・生前交流のあった高橋道雄の作品
・絵本作家としても知られる手島圭三郎の作品】等、
【５９】点が展示されています。


帯広美術館は“道東の美術”
を紹介するという事が活動のひとつの核になっているのですが、
十勝以外の道東地域の作家については
これまで紹介する機会が多くありませんでした。
加えて、昨年度より“アートギャラリー北海道”
という取り組みを
北海道として始めておりまして、
道内の美術館・博物館との連携を深めているところです。
そんな中、網走市立美術館に全面的な協力をいただき実現できました。

◆お客様の声◆
先日本州からいらした方が、
「冬の北海道でこれを見られてよかった」と仰ってくださったり、
「こんな見応えのある作家がいたなんて知らなかった」という驚きの声も届いております。


◆特に注目の作品◆【氷上漁業　（居串佳一）】
居串が網走から東京に移り住んだ頃に描かれた1点。
氷が張った湖の上で行われている引き網漁を題材にしています。
空や湖を青緑色で描いており、その色合いの重さや冷たさというのは、
網走育ちの居串の実感がこもっていると感じる。
冬の厳しい寒さが伝わってくる作品で、
この時期の居串の代表作でもあります。
※野田さんと一緒に写っている作品です。


【キンキと八角（松樹路人）】

作者の松樹路人は、生まれは羽幌町ですが、
１４歳まで女満別や佐呂間など道東各地を転々としていました。

実は松樹は、先ほど紹介した居串の氷上漁業を、
１４歳のころに網走で見ていたというつながりがあります。
作品に夢中になって、学校から家に帰る汽車を1本遅らせたそうです。

《キンキと八角》は、
一見すると少し不思議な静物画。
テーブルや花瓶、魚、貝、山などいろいろなものが描かれていますが、
それが一枚の絵の中で、
いろんな方向から見た姿で組み合わせてあります。

ただ、描かれているもの自体は、
作者にとってどれも身近なものが選ばれています。
生前好んでいた魚やアトリエにあった花瓶、
子供の頃に見た斜里岳などが登場しています。
自身の生活や体験に由来するものを用いて、
非日常的でミステリアスな作品を構成しています。


◆野田さんからメッセージ◆
今回ご紹介している作品は、目で楽しめるだけでなく、
作品から温度や湿度まで伝わってくるような、
見る人の皮膚感覚に訴えかけてくるものがたくさんあります。
ぜひ展覧会を体感しに来てください。

特別展「居串佳一とオホーツクの画家たち」
３月１５日（日）まで北海道立帯広美術館で開催中！
開館時間は午前９時３０分～午後５時迄【入場は午後４時３０分迄】
休館日は月曜日(２月２４日は開館し、２５日が休み)
観覧料：一般　７００円　高校生大学生　４００円・中学生以下無料
電話：０１５５－２２－６９６３
P：帯広百年記念館と共通の駐車場をご利用下さい