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特別編「卒業スペシャル」
JICA帯広研修員
この記事の投稿者miho
日本で3月は卒業シーズンということで、今日のHello!JICAfeは特別編「卒業スペシャル」です。
今回はJICA北海道(帯広)で研修を受けているバングラデシュ、ペルー、アルメニア、南アフリカ共和国、タンザニアの5カ国からの研修員の皆さんにそれぞれの国での卒業式の様子や思い出について語っていただきました。
≪バングラデシュ-バルアさん≫
バングラデシュはインドとミャンマーに国境を接しており、南にはインド洋があります。首都はダッカ、国語はベンガル語となっています。1971年にパキスタンから独立しました。民族はベンガル人が大部分を占めますが、他にチャクマ族などの少数民族もいます。バングラデシュはサイクロン、洪水、地震といった自然災害にも脆弱な国であり、気候変動による影響を受けやすい国でもあります。
<バングラデシュの卒業式>
小学校、中学校、高校の卒業式は11月に行われます。しかし大学の場合、特に何月、と時期は決まっておらず、大学によって異なっています。また、大学では卒業ための試験があるので、卒業式の前はみんな必死になって勉強します。
卒業式の日、卒業生はみんなガウンを着ます。みんなで歌を歌い、ラビンドラナート・タゴールというインド人の思想家の詩を暗唱します。彼は1913年にアジア人初のノーベル文学賞を受賞した人物で、バングラデシュとインドの国歌を作詞作曲した人物でもあります。
<バルアさんの卒業の思い出>
私は2005年2月に大学を卒業しました。大学で一緒に勉強したり議論をしたり、語り合ったりした仲間と別れるのがとても辛かったです。大学生時代を一緒に過ごした仲間は、僕にとってかけがえのない存在です。そして、大学まで行かせてくれて、大事に育ててくれた両親に心から感謝しています。また、教師は国を成り立たせていくうえでなくてはならない存在だと思っています。私を指導してくださった小学校から大学までの全ての先生方を尊敬しています。
♪ アヌパン・ロイ「アカメ・アマール・モト・タクテ・ダオ」
「自分の気持ちに正直に生きたい」という意味。
≪ペルー-パブロさん≫
ペルーの首都はリマ、公用語はスペイン語。1821年にスペインから独立しました。ペルーは古代から文明が栄えており、1200年頃に成立し、16世紀まで続いた大帝国、インカ帝国の中心地でした。空中都市マチュピチュやナスカの地上絵は、馴染みがあるのではないでしょうか。
<ペルーの卒業式>
ペルーの卒業式は12月か1月に行われます。式には全員が出席し、校長先生や学長が卒業生全員に卒業証書を手渡します。大学生の場合、卒業式が終わった後にカクテルパーティーを行い、みんなでお酒を飲みながら学生時代の思い出を語り、別れを惜しみます。その後、各自家で友達や家族、近所の人たちを招待し、お酒やごちそうを食べながらお祝いをします。
<パブロさんの卒業の思い出>
私が大学を卒業したのは2011年1月でした。この時2つのパーティーをしました。一つ目はクラスメートのみんなと一緒に会場を借りて、両親やお世話になった先生方を招待しごちそうを食べたりお酒を飲んだりしながら、思い出を語り合いました。
二つ目のパーティーは卒業式の次の日で、家族だけで行いました。私のお父さんとお母さんは、僕にこれまで学んだことをしっかりとこれからの人生に活かすようにと伝えました。でも一番大事なことは、優しく、自制心をもった良い大人になることなのだと言いました。家族みんなが僕の将来ためにお祈りをしてくれました。この時のことを僕は今でもいつも思い出しています。両親は僕が学校に行き、きちんとした大人になるようにずっと支えてくれましたし、教授たちは素晴らしい知識と技術を僕に授けてくれました。本当に感謝しています。
♪ ペペ・バスケス「ノエスマスケウンアスタレーゴ」
「また逢いましょう」という意味。
≪アルメニア-ルイーザさん≫
アゾフ海、黒海、カスピ海に囲まれたコーカサス地方にある国アルメニアはトルコ、ジョージア、アゼルバイジャン、イラン、ナヒンチェヴァン自治共和国に接した内陸国です。1991年にソヴィエト連邦から独立しました。人口は300万人、面積は2万9,800平方キロメートルと、旧ソ連邦の中で最も小さい面積となっています。301年に世界で初めてキリスト教を国教としたことや、建造物として石が古くから使われてきたことで有名な国です。
<アルメニアの卒業式>
高校は5月に、大学の場合は7月に卒業式が行われます。私の高校の卒業式は、偶然にも私の誕生日の5月23日に行われたので、その日は特に特別な日となりました。
卒業式の日、卒業生は卒業証書を受け取り、そして先生方にこれまで真剣にご指導していただいたことやたくさんの愛をくださったことへの感謝の気持ちを伝えます。
アルメニアは小さい国ですので、毎年文部科学省の大臣が国内のいずれかの大学を訪れ、卒業証書を卒業生に手渡します。夜は政府主催の屋外コンサートやパーティーが開かれ、卒業生や先生方、家族と一緒にお祝いをします。花火も打ち上げられて、とても盛大な夜となります。
<ルイーザさんの卒業の思い出>
先程、アルメニアでは文部科学大臣が毎年いずれかの大学を訪れ卒業生に卒業証書を手渡すとご紹介しましたが、2011年私が大学を卒業した年には、なんと首相が私の大学「アルメニア大学」に来て卒業証書を手渡してくれたのです。こんなことはなかなかないことなので、すごくラッキーでした。
大学の卒業式を迎えるまでは仲間と別れることへの悲しみと、卒業したらこれまでとは全く違う生活が始まることへの不安でいっぱいでした。ですが、卒業式を迎えた当日にはそんな不安はなくなり、これから始まる新しい人生への期待感でいっぱいになりました。これから大学で学んだことをどう生かすか、自分はどう成長していくかということを考えたら、とてもワクワクしてきました。大学時代を一緒に過ごした友達はかけがえのない存在ですし、学生時代に学んだことが今の私のルーツとなっています。いつも私をそばで支え、信じてくれた両親と、知識や技術だけでなく生きていくために大切なことも教えてくれた先生方に心から感謝しています。
♪ タテ・シモヤン「ヴァージン・ザング」
「最後の授業」という意味。
≪南アフリカ共和国-ハルトさん≫
南アフリカ共和国は太陽の国と呼ばれるほど年間を通じて晴れの日が多く、比較的温暖な気候となっています。世界唯一、3つの首都を持ちます。行政上の首都プレトリア、立法上の首都ケープタウン、司法上の首都ブルームフォンテンの3つとなっています。人種隔離政策「アパルトヘイト」は1991年に撤廃され、民主化への道を歩み、2010年にはサッカー・ワールドカップが開催されましたが、いまなお存在する人種間での貧富の格差や、高い失業率が深刻な問題となっています。
<南アフリカ共和国の卒業式
南アフリカ共和国では卒業式は11月か12月に行われます。式では全員卒業証書を受け取り、たくさん写真を撮ります。式が終わったらみんなドレスアップをしてパーティーを行います。おいしい食事を食べたりたくさんお酒を飲みながら、みんなで思い出やこれからのことを語り合います。
<ハルトさんの卒業の思い出>
私は農村の経済を発展させたいとの思いから、大学で農業経済学・動物科学を学びました。大学を卒業出来た時はとても嬉しかったです。卒業式の日は家族と一緒に美味しいものを食べ、お祝いをしてもらいました。これまで私を支えてくれた両親に感謝してもしきれないほど感謝していますし、私を長い間ご指導してくださった先生方にも心から感謝しています。
♪ ロリカ・ラウフ「スティール・グルテ・オ・マネキスル・ルー」
「マネキスル・ルー」という南アフリカで伝説のラグビー選手について歌った曲。
≪タンザニア-ジョフリーさん≫
タンザニアはケニア、ウガンダ、ルワンダ、ブルンジ、ザンビア、マラウイ、モザンビークと国境を接しています。首都はドドマですが、事実上の首都機能を有し、経済面でも中心となっているのはダルエスサラームという都市となっています。主に130の民族がおり、国語はスワヒリ語、公用語は英語となっています。タンザニアはアフリカ大陸最高峰のキリマンジャロや、数百万羽のフラミンゴが集まるナクル湖国立公園、ヌーやシマウマ、キリン、ハイエナなど多くの動物が生息する広大なセレンゲティ国立公園が存在している、大自然に恵まれた国です。
<タンザニアの卒業式>
10月から12月にかけて行われます。式ではみんなで歌を歌ったり、劇をしたりします。卒業生が台本を書き、演出をするんです。そして校長先生から卒業証書を受け取ります。式が終わったら、先生方と卒業生でカクテルパーティーをしたり、家で友達や近所の人たちを招いてパーティーをします。
<ジョフリーさんの卒業の思い出>
私は大学で農業経済の研究をし、博士号を取ることができました。私は農村の貧しい家庭で生まれ育ちましたが、両親が一生懸命働き私を育ててくれて、大学まで行かせてくれました。卒業式で博士号取得者として名前を呼ばれた時は、これまでの努力が報われたと思いましたし、育ててくれた両親への感謝の気持ちがあふれ、とても嬉しかったことを今でも覚えています。
♪ ムバラカ・ムウィシェヘ「クワヘリ」
「忘れないで」というメッセージが込められている曲。
<お知らせ>
JICA北海道(帯広)の1階ロビーでは「世界の学校写真展」を開催しています。開発途上国を中心に、世界各国の学校や子ども達の写真を展示したり、タイ、ブラジル、ウガンダの子ども達の一日のスケジュールをご紹介しています。笑顔溢れる、愛らしくたくましい子ども達の写真を是非ご覧になってください。この展示は3月24日まで行っています。問い合わせ先は、JICA北海道(帯広)図書資料室、0155-41-4100となっております。電話は午後1時から午後6時30分までとなっており、月曜日と祝祭日は受け付けておりませんので、お気を付けください。皆さまのお越しをお待ちしております。
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