20

77.8MHz FMラジオ局 ジャガ

帯広から全国、全世界に発信!77.8MHz JAGA

サイトマップ
  1. HOME
  2. JICA北海道(帯広)職員-木…
  3. JICA北海道(帯広)職員-木…

PROGRAM BLOG番組ブログ/

JICA北海道(帯広)職員-木下 秀俊さん

その他

JICA北海道(帯広)

JAGA

この記事の投稿者JAGA

  • 4952

今週のゲストは…
JICA北海道(帯広)職員の木下 秀俊さん

■よろしくお願いします。

木下さん 以下木)よろしくお願いします。

■木下さんにはおととしの8月にも番組にご出演いただきました。当時は帯広に来て3カ月でしたが、約2年半が経ち、今月で帯広の勤務は終了されるということですね。

木)帯広でおかげさまで楽しく過ごさせていただきました。

■前回ご出演時とは、帯広の印象も変わったのではありませんか?

木)ますます良くなりました!

■前回出演された時には赴任していたマラウイの話や帯広の印象などを伺いましたが、今日はJICA北海道(帯広)での海外からの研修員受け入れについても聞いてみたいと思います。年間約300人の研修員が帯広に来ているそうですが、皆さん、帰国してからはどのように活躍されているのでしょうか?

木)帯広では農業・畜産分野の研修が多いですが、その他に小学校の理科の先生の教育、栄養改善、地場産業、環境森林といった研修もあります。例えば、理科の研修を受けた人たちは、帰国して日本の理科の実験を実践しているというのはわかりやすい例ですね。それから、マラウイの検収印は来日前自分の手を汚すことを嫌がっていましたが、帰国後は現場で汚れる仕事もするようになりました。それは、牛のおしりに手を入れて直腸検査をするといったことです。日本では役職などに関わらず、そういう仕事もするんだということも学んでいったわけです。

■そうなんですか。しっかり活躍されていますね。

木)まだ例をあげますと、フィリピンでは日本で研修を受けた獣医師たちが集まって勉強会を開いています。本来の政府の仕事はしますが、それ以外に「NGO」のようなものを立ち上げて勉強会を行うほか、農村へ行って犬や牛にワクチンキャンペーンを展開したりしています。自分たちの仕事以外のことを組み立てることができるようになったという例ですね。

■すばらしいですね。

木)ウガンダでは農家にソーセージ作りを教えましたということです。帯広で学んだソーセージ作りが活きています。
また、牛のエサでサイレージというものがあります。帯広では英語で「とうもろこしは地面の下20cmのところで刈ってください。それを3cmに切ってください。バケツやビニール袋に空気が入らない状態にして、2~3か月置くと良いエサができます」ということを写真を撮りながら順番に説明していくというマニュアル作りをしています。それを現地の言葉に訳して農家の人たちに伝えたということもあります。これはエチオピアの例です。

■しっかりと伝えられているんですね。

木)例をあげればキリがありません。長い研修コースですと、3か月もしくはそれ以上というものもあります。技術とは別のところで、いろんなことを帯広・十勝の人たちから学んでいます。例えば、「時間を守るようになった。仕事中にガムを噛まなくなった。」ということもあります。JICA北海道(帯広)では研修後にアンケートをとっています。いくつか紹介します。
・日本人の時間管理は信じられないほどすばらしい。
・研修中プログラムが遅れたことはなく、関係者の一人として1分も遅刻せず、それどころか定刻5分前には到着していた。この行動はすばらしく、日本滞在中だけでなく帰国後も時間管理を続けていきたい。
・日本のどこへ行っても清潔であることは、新鮮なことでびっくりした。
・夜間でも外出できる。
・困っている人を助けてくれる。寛大で、親切である。
・日本人や日本の文化を誇りに思うので、帰国しても日本人と生活したい。
・研修で、担当講師がはっきりとした答えがわからないとき「すみませんがわかりません。後で確認して改めて答えます」と言ったことに驚いた。海外では曖昧な場合でも先生は「わからない」とは言わないことが多い。
・相手に敬意を払って暮らしている。空気がキレイで環境の良い帯広に来られて良かった。

以上のような回答がありました。研修員たちは東京や沖縄などにも研修で出掛けますが、帯広では子供たちがあいさつをしてくれることも大変喜んでいます。他の町ではなかなかないことです。

■ありがとうございます!帯広・十勝の受け入れ態勢が整っているということがあるんでしょうね。

木)まさにそうだと思います。

♪ 「Jambo Bwana(ジャンボ ブアナ)」

■木下さんはこれまでアフリカやフィリピン、カンボジアで様々な活動をされてきたそうですね。「やっていて良かった」と感じた具体的な出来事はありますか?

木)フィリピンやマラウイで牛の人口受精を広げるという技術協力などをしてきました。我々が教えた人工授精師さんが農家に行って実際に子どもが産まれ、数年後には牛乳を出すようになる。そうなると牛乳を売ったお金で子供を学校に行かせられる。最初は恐る恐るだった農家の人たちも「人口受精は良いよね」って話になります。

■人と人の関わりということですと、いかがですか?

木)近所の貧しい家の子供が成長して、私の実家に「遊びに行きたいんだけど、どこにいる?」電話をかけてきたことがあります。そんな金はないだろと思ったんですが、しっかりとした職に就いていました。実際にマラウイに赴任したとき、隣のザンビアからレクサスに乗って来ました。嬉しかったですね。東日本大震災のときには、マラウイで運転手として働いてくれていた人が、電話をかけてきてくれました。ありがたかったです。

■いろんなエピソードがまだまだありそうですね。

木)はい、たくさんあります。ですが、自分としてはいろんなことを経験、勉強できたことがありがたくうれしいことです。カンボジアでは頭の上を銃弾が飛び越えていったこと。フィリピンではデング熱に罹ったりました。家族についても子供が人種差別をされたこと。人生の勉強をさせてもらい、いろいろ考えさせてもらいました。目に見えない財産ができました。

■国から国(日本⇔他国)へ援助が届くことの意味は、どういうことだと思いますか?

木)言葉にすると、援助・支援ということになってしまうんですが、「ご近所付き合い」の続きかなと思います。数千年前、数百年前、数十年前に比べて世界が小さく、近く感じられるようになりました。お隣さんとのお付き合いもあるし、ちょっと遠くの方とのお付き合いもある。それが、国単位であるということなだけだと思います。

■そう考えるとなんだか納得です。

木)日本国内でも困っている人がいるんだから、そんなに海外にお金を使うなよと言う人もいると思います。でも、身の丈にあったご近所付き合いをしませんか。お互いさま、おすそ分けということですね。北海道でいうと、根釧パイロット・ファームは当時世界銀行に助けられました。新幹線、東名高速もお世話になり発展しました。ごはんも食べられない、学校に行けないという人たちのお手伝いをするというのは、必要なことなのかなと思います。

■海外赴任先にはご家族も一緒にいらしてたんですよね。皆さんの反応はいかがでしたか?
(奥様、ご長男(高3)、ご長女(高1)がいらっしゃいます)

木)妻のみほは「楽しかったよ。行って良かったよ」と言ってくれています。大豆から豆腐を作れるようになりましたし、なますを作るために3か月前から大根つくりを始めたりしていました。

■すごい!すごいです。

木)当時中学生の息子の伸は帰国して「日本は最高だ。食べるものが多い」と言っていました。ただ、ハロウィーンパーティーなどのイベントは海外の方がおもしろいと言っていましたね。当時小学生の娘のるさかは「世界中にともだちができた」と言って現在も連絡を取り合っているようです。人種差別で、バッグをゴミ箱に入れられたり、日本人の髪の毛が珍しくて引っ張られたりとういうこともありましたが、娘は「日本人で良かった。日本語ってすばらしいね」と日本の良さを発見したと言っていました。家族全員「良い経験をした」と言ってくれています。

■最後に帯広の思い出といいますと…

木)帯広は本当に良いところです。空も大地も広いし、気候も良いし、じゃがいももおいしいし、紫のアスパラを初めて食べました。研修ではいろいろな人にお世話になり、ありがたいなと思いました。

♪ 「Malaika(マライカ)」

■ありがとうございました!

このページをシェアして友達に教えよう!
https://jaga.fm/pg_detail.php?id=3618

JAGA

クリスマス・イブの1994年12月24日に開局したコミュニティーFM局。十勝に根差し、リスナーとの共感を大事に放送しています。

more
----------

INFORMATIONお知らせ・プレゼント

----------

PICKUP TOPICSオススメピックアップ!

JAGA.FMホーム